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- この記事の対象の方
- 社内デジタル人材の育成を行いたい方
- プロジェクトマネージャーの育成方法を知りたい方
紹介企業:東京都渋谷区のスタートアップ企業
解決内容
改善のポイント
● 優先順位をつけてトレーニングを実施
● 個別のタスク設定と報連相体制の確立

新リーダーの育成に貢献!社員の意識改革&全体の実績もUP

今回の事例は一番の目的であった「プロジェクトマネージャーの育成」だけに焦点を当てるでのはなく、全体のルール作り&適切なツール導入を行うことで、社内全体のスキルアップにつながりました。
一つの課題に取り組むのではなく、GRILLがプロの視点を持って問題の根本的な原因&解消を行い、社内改革を成功に導いたモデルケースとなります。
導入効果

タスクの見える化
プロジェクトの全体共有
タスクマネージメント
のルール化に成功!

GRILLスタッフ一時参加による
マネージャー業務の確立
業務内製化を
ステップアップ!
朝会・夕会のファシリテーションと共有
そこでプロジェクトマネージャーの最も重要なタスクを、朝会・夕会のファシリテーション&内容共有と設定しました。プロジェクトマネージャーは必ず会に出席するというルールを定めました。
タスクの見える化
タスクマネジメントツールを導入し、今どの社員が何をしているのかを社内全体で見える化しました。
見積もりと実績
それぞれで抱えているタスクに対してお互いに見積もりを行い、およそ何時のタイミングに現在のタスクが終わるのかの目安をつけるようにしました。
結果、例えばデザイナーがどのくらいの作業を1日のうちにこなせるのか等、大体の作業量の目安がチーム全体で把握できるようになりました。
プロジェクトマネージャー業務の内製化
GRILL のスタッフが、一時的にこれまで社長が行っていたプロジェクトマネージャー業務を代わりに直接担当しました。
新プロジェクトマネージャーのメンバーとOJT(オンザジョブトレーニング)のような形で一緒に業務をこなし、プロジェクトマネージャー業務の内製化を少しずつ行いました。
結果、5ヶ月目以降は新プロジェクトマネージャーの方が独り立ちし、プロジェクトマネジメントを一人でご担当いただくことができるようになりました。
改善を行った企業の背景
新プロジェクトマネージャーを育成したい!
お客様は渋谷区のWeb系スタートアップ企業。資金調達を経て、プロダクト開発を社長を中心として行ってきました。
しかし業務の規模拡大に伴い、新たな資金調達や海外での交渉など、社長自身ではないと意思決定ができない案件が複数入り、社長がプロジェクトの現場に張り付くことが徐々に難しくなってきました。
そこで、プロジェクトのディレクションをできるメンバーの採用を試みましたが、なかなか良い人材を採用することができません。
それならば社内メンバーを教育した方がプロダクトのこともよくわかっているし、コミュニケーションも取りやすいので良いのではないかと、社長のAさんは思いつきました。
このような経緯で GRILL にお声がけをいただき、プロジェクトマネージャーを育成するご支援をさせていただきました。
対象企業の問題点
- 業務拡大でメンバーが不足
- プロダクト開発は社長が中心となって行っている
- 社長以外のメンバーがディレクションを行えない
ヒアリングで見えた課題
新マネージャー育成の体制が整っていない
はじめにGRILLには新マネージャー育成のご相談をいただきましたが、それに伴い現在の社内の報連相手段や、プロジェクトの管理方法についてヒアリングを行いました。
そして分かったのが、そもそもこちらの企業では新マネージャーを育成する社内環境が整っていないという事実です。
対象企業の今回の課題
- これまで社長がプロジェクトマネージングを行ってきたが他の業務で手一杯である
- プロジェクトマネージャーを育てたいが、経験者が社長以外にいない
- チームミーティングが効果的ではない
- チーム内で進行状況が共有されておらず、各社員のスケジュールが不明瞭である
課題1. 効果的ではないチームミーティング
社内ではまず朝会を行い、それぞれのタスクの進捗状況や課題点を共有した上で1日の仕事をスタート。
また夕方に夕会を行うという流れで仕事を進めていました。
この方針自体は問題なかったものの、全体のファシリテーション役であり、問題解決役でもある社長が朝会や夕会に参加できない時がありました。
そういった場合には、せっかく共有された内容も宙ぶらりんになってしまい、課題が解決されないまま取り残されてしまうという状況がありました。
課題2. チーム内での進行状況が共有されない
Web開発を行っている会社ということで、エンジニアのメンバーも多く、それぞれが自分の専門性の領域で仕事をこなしている状態でした。
そして自分の専門領域以外のタスクは、今誰が行っていてどんな状態かわからない、という課題がありました。
課題3. 工程ごとのスケジュールが不明確
Web開発の現場では、通常の流れとして「仕様策定>画面構成>デザイン>フロントエンド&バックエンド実装」のような流れで工程があります。
フロントエンドの実装者は、デザイナーがデザインを完了させないと作業にうつることができません。
しかし、これまではお互いのタスクが見える化できていず、お互い自分の専門領域の仕事をなんとなくこなしているという状況がありました。
ここで課題となったのは、あとの工程メンバーは次のタスクがいつ始まるのか見えないという状況です。
解決までの道のり
優先順位をつけトレーニングを実施
GRILLでは、まず状況のヒアリングをさせていただきました。
その上で、まずはお客様の事業におけるプロジェクトマネージャーのスキルとして、重要なものについて特にリストアップさせて頂きまました。
そして優先順位をつけた上で、トレーニングを段階的に行うという手法を選択することに致しました。

STEP 1. 朝会・夕会のファシリテーションと共有
ヒアリングを行いまず判ったことは、社内での情報共有の圧倒的な不足です。
そこでプロジェクトマネージャーの最も重要なタスクを、朝会・夕会のファシリテーション&内容共有と設定しました。プロジェクトマネージャーは必ず会に出席するというルールを定めたのです。
これまでの会議では、社長が不在の場合、なんとなくミーティングだけが慣例的に行われているという状況がありました。しかし、形だけでミーティングを行っていても、多くの課題解決には繋がりません。
またミーティングで出てきた内容は、議事録を通じて社内全体にオープンに共有されるよう変更しました。
問題が発生している場合には、誰がいつまでに解決するのか?ということも、プロジェクトマネージャー決定の上で共有を行うようにしました。
STEP 2. タスクの見える化
誰がどのタスクを、どのタイミングでいつ行なっているかが分からない。
このような社内の問題点を解決するために、タスクマネジメントツールを導入し、今誰が何をしているのかを見える化しました。
タスクマネジメントツールでは、タスクがそれぞれの専門領域ごとに優先順位順に並んでいて、今のタスクが終わったら次に優先順位が高いタスクを瞬時に確認することができます。
これにより内容の詳細はわからなくても、チームの誰が今何を行っているのか、お互いが把握できるようになりました。
STEP 3. 見積もりと実績の共有
それぞれで抱えているタスクに対してお互いに見積もりを行い、およそ何時のタイミングに現在のタスクが終わるのかの目安をつけるようにしました。
この作業により、次に自分のところに回ってくる仕事が何時ぐらいなのか?の概算を行えます。
またタスクが終わったら実際にかかった時間を、タスクマネジメントツールに入力することにしました。これにより、見積もりとの差分を確認することができます。
この結果、例えばデザイナーがどのくらいの作業を1日のうちにこなせるのか等、大体の作業量の目安がチーム全体で把握できるようになりました。
STEP4. プロジェクトマネージング業務の内製化
最後にGRILL のスタッフが、これまで社長が行っていたプロジェクトマネージャー業務を代わりに直接担当しました。
その目的として、新プロジェクトマネージャーのメンバーとOJT(オンザジョブトレーニング)のような形で一緒に業務をこなし、プロジェクトマネージャー業務の内製化を少しずつ行う為です。
内製化として行ったものは主に次の業務です。
- チーム内ミーティングの招集
- ミーティングのファシリテーション
- タスクのアサインメント
- 締め切り近いタスクの担当者への確認
- スケジュールが遅れる場合のステークホルダーへの連絡
チームの一員として稼働させていただく中で、プロジェクトマネジメント部分だけを新プロジェクトマネージャーと一緒に行い、3ヶ月の期間の中で徐々に業務や権限の移譲を行っていきました。
4ヶ月目からはオブザーバーとして参加。突発的な出来事や複雑な事象への対応部分だけ担当させていただきました。
5ヶ月目以降は新プロジェクトマネージャーの方が独り立ちし、プロジェクトマネジメントを一人でご担当いただくことができるようになりました。
総合
総合的な一括サポートで課題解決&社内環境を一新

今回の事例では、コンサルティングを行った GRILL が、ヒアリングを直接行い仮メンバーとして参加し、初期段階での環境構築を行なっています。
その結果、4ヶ月という短期間で、新プロジェクトマネージャーの独り立ちまで完了することができました。
こちらのモデルケースは、一番の目的であった「プロジェクトマネージャーの育成」だけに焦点を当てるでのはなく、全体のルール作り&適切なツール導入を行うことで、社内全体のスキルアップにつながったケースとなります。
まとまりがなかった個々のメンバーが、チームメンバーとしての意識を持つきっかけを作り、新プロジェクトマネージャーがそれを包括することで、新しいプロダクト開発環境が構築されました。
外部の経験あるプロジェクトリーダーが参入し、社内改革を行い、上手く軌道にのるケースも勿論多くあります。
しかし、こちらの企業では、社内メンバーから新しいプロジェクトリーダーを育てるという選択をされました。
その結果、人心掌握やプロジェクト内容把握の期間を短縮することができ、その後のプロダクト開発へも良い影響を与えています。
今後の展望
今回、これまで全てのマネージメントを行っていた社長に変わり、新たなリーダーを育成することができました。
こちらの企業では、今回の経緯や経験を基に、さらに新しい社内プロジェクトマネージャーの育成を計画されています。
今後も GRILL では、こちらのスタートアップ企業と協力して更なるサポートを行なっていくことを予定しています。